新井白石による正徳の治はわりとオーソドックスな知識系の論述ででてきます

書くべきポイントをしっかりと暗記する必要があるんですね
そもそも、正徳の治とは六代将軍家宣と七代将軍家継の時期に侍講の新井白石と側用人間部詮房によってなされた文治政治の典型です

その基本方針は将軍権威の向上でした

具体的には

1生類憐みの令の廃止

2幕府の費用負担による閑院宮家創設

3朝鮮通信使の待遇簡素化

4朝鮮国書における将軍の呼称の変更

5正徳金銀鋳造

6海舶互市新例制定で長崎貿易を制限

などがあります

2の閑院宮家の創設ですが、これはいったいどういうことでしょうか?

正徳の治の基本方針は『将軍の権威の向上』です

にもかかわらず何故、幕府が費用を負担してまで天皇家のための閑院宮家を創設したのでしょうか?

ここには一つの歴史のルールがあります

自分の権威を向上させたいとき、その方法は二つあります

一つは自分以外のものの権力、力を奪う

もう一つは、強い者との関係を強めて権威を高める

この二つです

ここでは後者が採用されているんですね

いくら武士の世の中で天皇権威が弱くなっているとはいえ、それでも朝廷は伝統的な権威をもっています

このように朝幕関係融和を図ることで天皇権威との結びつきを強め将軍権威の強化を狙ったんですね

4の呼称の変化は『日本国大君』から『日本国王』に変わったんですね

これで国の支配者としての将軍の地位を明確化したわけです

5の正徳金銀鋳造は重要です

慶長金銀の金銀含有量に回帰させたのですが、かえって流通の混乱を招くことになり失敗してしまいました

どれも重要ではあるので覚えるようにしましょう